近年、日本は少子高齢化が進み、地方の過疎化も著しく進んでいます。
それに伴い、多くの空き家が生まれています。
そして、2018年の民泊新法施行に伴い、その空き家を有効活用すべく、宿泊施設として売り出す「民泊」が注目を集めています。
また、「民泊」は不動産価値の高まりと、観光業の回復に伴い「ビジネス」として注目も集めつつあります!
では、果たして田舎での民泊ビジネスは成功するのか否か、
実際に岡山県と東京都(いわゆる、都会と田舎)の両都市において民泊を運営をしていた管理者の視点で解説していきたいと思います。
まだ読まれていない方は、ぜひ以下の記事もご覧ください
・民泊の基本知識を振り返る
民泊の始め方!自宅や賃貸で始める手続きを初心者向け解説 | コンシェルデスクブログ (concierdesk.com)
・「失敗」する経営者の特徴は!?
民泊経営の失敗者の共通点は1つ!失敗しないためのポイントとは | コンシェルデスクブログ (concierdesk.com)
・気を付けたい民泊のトラブル対応はこちら!
民泊の問題点とトラブル解決策を事例ごとに解説 | コンシェルデスクブログ (concierdesk.com)
民泊が儲からないと言われる理由
民泊をはじめよう!と思い立ち、とりあえずネットで調べてみたら、「民泊は儲からない」「民泊やめとけ」
なんてタイトルや記事を目にしたことは少なくなはいんじゃないでしょうか?
では、実際にその記事たちの言っていることは本当なのか!?解説していきたいと思います。
まずは、その要因を分解して解説していこうと思います。
儲からない!と言われる大きな理由は3つです!
1.年間民泊運営日数に制限がある
別記事を読まれた方はすでにご存じかと思いますが、いわゆる「民泊」と呼ばれている業態には種類があり、それぞれで適用される法律が異なっています。
大きく2つの業態に分かれるの簡単に下記にまとめてみます。
・「住宅宿泊事業法」が適用され、開業までのハードルが低いが、年間運営日数に制限があるもの(この記事では「民泊」と呼びます)
・「旅館業」が適用され、簡易宿泊所として開業までのハードルは高いが、運営日数の制限がないもの(この記事では「簡易宿泊所」と呼びます)
詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。
民泊新法と旅館業法の違いは?徹底解説! | コンシェルデスクブログ (concierdesk.com)
ということで、「民泊」を営む場合は、年間運営日数に制限があり、180日以上は営業ができないことになっています。
つまり、年間の半分の日数で利益を出さなくてはいけなくなります。
宿泊客数を増やせば増やすほど儲かる宿泊業からすると、非常に残念な制度であることがわかります。
※もちろん、その中でうまく運営していく手段はいくつかありますが、そちらは後程
2.利益が薄い
よく飲食店は、売値の30%が原価と言われています。
では、宿泊業はいかほどか。
家賃を30日で割って、、、
一泊1万だとしたら、、、
なんてやってるうちは、気づいたら赤字が膨らんでいく一方でしょう
宿泊業の経費の中には、メイン経費である家賃はもちろん、その他にも人件費やサイト運営費・清掃費など多くの項目が経費項目として挙げられます。
なかなか実感がわきにくいかと思うので、具体的な数字で見てみましょう
定員2名の1Kルーム。家賃は10万としましょう。
宿泊料金は相場の120000円。高い稼働率として認識されている60%稼働として計算してみましょう。
(毎週末に加えて、毎週平日に2~3泊あることになります)
30日(運営日数)×60%(稼働率)=18日(稼働日数)
18日(稼働日数)×120000(宿泊単価)=216000円(売り上げ)
この売り上げから、各経費を引いていきます(今回清掃費別途請求していることとします)
OTA手数料:216000×20%=43200
水道光熱費:10000
Wi-FI費用:5000
アメニティ各種補充費用:18日×500=90000
家賃:1000000
利益:48800円
この数値をみて、みなさんはどのように感じるでしょうか?
また、今回の経費はかなりざっくり計上しています(削れる部分もありますし、もちろん新たに計上すべき項目もあります)
結論を言うと、利益は薄くもなりえますし、高い利益率を出すことも可能です。
そのためには、入念な準備と確かな知識と地道な運営を継続していく必要があります。
3.初期費用が高い
これは、想像をすればわかることです。
新たに物件を賃貸し民泊を運営する場合、泊まりたいと思うような内装を目指し家具を新調し、
各種届け出申請などを行っていると、あっという間に初期費用は100万近くまで膨れ上がります。
この初期費用を、前述した月々の利益の中からペイをしていくと考えるとなかなか大変であることがわかるかと思います
始める前に知っておきたい民泊事情
儲かる儲からないの話を進めていく前に、一度、近年の民泊事情について一度ふれておきたいと思います。
国内において、
- 訪日外国人数が急増した一方で宿泊施設が不足していたこと
- 活用されていない空き家・空き部屋が多く存在していたこと
- 不動産投資の一環として民泊事業を始める個人が増えたこと
などの事情を背景として、住宅宿泊事業法が施行された2018年6月まで、民泊物件は急増している状態でした。
しかし、住宅宿泊事業法における日数制限(上限180日。さらに条例によって制限される可能性あり)や、届出手続きの煩雑さ等もあってか、
2018年6月に住宅宿泊事業法が施行された直後の届出件数は激減しました。
しかし、それ以降も順調に訪日外国人観光客数は伸びていたこと、法整備がなされたことにより大手の事業者が参入しやすくなったこと等を受けて、
民泊の届出件数は、1年後の2019年6月には早くも1万6千件を超え、2020年3月には2万1千件に達するなど、順調に増加していました。
その後はみなさんご存じの通り、コロナ禍による観客の激減によって、民泊件数も激減しました。
しかし、観光業回復の兆しや、テレワークの普及などにより、その需要は今後高まっていく見込みとなっています。
まとめると、新規参入と撤退が頻繁にあり、入れ替わりが激しい業態となっています。
儲かる人と儲からない人の違いは?
近年の民泊事情についてお話ししたところで、早速本題に入っていきましょう!
民泊を経営して、儲かる人と儲からない人、そこにはどんな差があるのか!?
着目点は、以下の3つです!
立地
民泊経営の大部分を決定するのが、この立地と言っても過言ではありません。
観光地に近いのか、駅に近いのか、その駅はどれくらいの人が利用するのか、周辺施設は充実しているのか
など、その要件を挙げたらきりはありません。
東京23区内に施設を展開するのに比べて、田舎で民泊を経営する場合は、特にこの立地の差が特に顕著に現れます。
アクセスの良し悪しが都会に比べて顕著になるのに加え、
付近の観光名所と言われているスポットがあるかどうかその交通の要所に位置しているかで、ヒトの流れが大きく変わってくるためです。
他施設との差別化
いわゆる競合施設です!
良い立地を選択した場合、その土地にはすでに宿泊施設があることが十二分に考えられます。
そのなかから、自身の施設に宿泊施設を選択していもらうには、何かしらの違いを演出することが必要不可欠になります。
管理会社との関わり
民泊を経営するには、必ず「管理者」というものが必要になります。
わかりやすい例でいうと、清掃やアメニティ補充、ゲストとのやり取りが挙げられます。
一般的には、この一連の作業を運営代行サービスに委託するケースも多いですが、その分手数料がかかってきます。
運営会社の選定、そしてどれぐらいの作業を委託するのか、ということも重要なカギになっていきます。
運営会社をまとめた記事はこちらになります!ぜひご覧ください!
民泊の運営代行の費用や相場どれくらい?詳しく解説 | コンシェルデスクブログ (concierdesk.com)
民泊で儲かる人の戦略は?
まずは、成功する人がそれぞれの着目点において、どんな取り組みをしているのか、解説していきます。
立地
立地の重要性は先程解説しました。
アクセスの良さ、周辺の観光スポットなどをチェックすることに加え、もう一点、民泊で儲かっている人が実践している戦略があります。
それは、競合施設の調査です。
これは、その施設がどんなコンセプトで営業を行っているかを調べるものではありません。
自分がここだと思った立地も、その他に一切宿泊施設がなかったら、何かしら原因があるかもしれません。
また、いくつか宿泊施設があったとしてもその稼働率が高いものではなかった場合、そこにもまた原因がかくれているかもしれません
単純な立地に加えて、周辺競合施設から考える立地の良し悪しの判断もすることができるようになったら、民泊成功に一つ近づくことでしょう!
他施設との差別化
先程もお話ししたように、立地が良いとされている場所には、競合施設もそこに集まる可能性が大いにあります。
そこで、他施設に埋もれないように差別化を図ることが重要になっていきます!
この差別化も何から手をつければよいか難しいところですが、まずはターゲットを定めてみると良いでしょう。
観光客の属性は、家族連れ・カップル・一人旅・女子旅・ペットも一緒になどその数は多岐にわたります。
全員に刺さるような施設を経営するのは、なかなか難しくハードルが高いので、1つの属性を定め、その人たちが喜びそうな経営を目指してみましょう
さらに、その属性を定める際には、その土地にはどのような人が多く訪れているのか、
どのようなコンセプトを定めている施設が多いのか、その土地の観光資源は何かを分析するとヒントがみえてくるはずです。
ただ、この作業は初めて民泊経営を経験する方からすると、着眼点がわかりにくいものであります!
自社で民泊立ち上げのサポートも行っているので、お気軽にご相談ください!
Concier Desk(コンシェルジュデスク) | 東京・岡山の宿泊施設運営代行サービス
管理会社との関わり方
結論、清掃も宿泊客とのやり取りもすべて自身で行うのが、一番利益が大きくなる方法です。
しかし、なかなかそこまでの手間をかけることは難しいと思います。
そこで、時には運営代行会社を利用するという選択肢も用意しておくと良いかと思います!
ただ、この運営代行会社も様々な種類があります。
適用されるサービス・料金体系も様々です。
自身が必要なサービスを担ってくれる会社かつ、完全出来高制の会社を見繕っておくといいでしょう
儲からずに失敗する人の戦略
さて、失敗する人の戦略はというと、上記の内容をカバーできていない!ということになります。
更に言うと、なんとなく自分の思い込みで「ここなら絶対に売れる!」「自分ならできる!」という根拠のない自信をもってしまうと、
未来は暗いかもしれません。
自信だったり、直観的な部分は確かに重要な部分ではありますが、
例えば、人のいない場所に宿泊施設を建てて、どんない努力しても、儲かるまで運営することは非常にハードルが高いことは安易に想像できます。
それこそ、その施設が観光スポットとして一躍有名になれば話は別ですが、、、
一個人の財力・労働力ではよっぽどの機転を利かせない限りは難しいかと思います。
まとめると、
明確な根拠や準備のないまま営業を始めてしまう人
こんな人は、なかなか民泊ビジネスを通して儲けることは難しいのではないでしょうか。
民泊で儲かる場所とは
先述したような、民泊の立地はその後の稼働率を決めるうえで非常に大きな役割を担います。
では、どのような場所を抑えることができればいいのか?
そんな疑問を抱くことかと思います。
田舎で民泊がテーマになるので、東京や大阪などの都会ではなく、その他の田舎で民泊を開業する場合に着目したい立地のポイントを2つをご紹介します。
1.国内外の観光客数の動向
一番重要と言っても過言ではないでしょう。
そこに人の流れがあるのか、宿泊業を行う上で重要な指標になります。
さらにいうと、宿泊客数の動向もチェックしたいところです。
懸念点として、観光客数は多いものの、そのほとんどが日帰り客というケースも少なくはありません。
観光の需要があるか、宿泊の需要があるか、かならずチェックしておきたいところです。
(ちなみに、観光庁や市役所が出している統計データで検索すると、簡単にこれらの数値は確認することができます)
2.アクセスの良し悪し
都会で民泊を運営となると、注目したいのが最寄り駅とそこからの距離になります。
しかし、田舎で民泊を!となると必ずしも付近に電車が通っているわけではありません。
むしろ、車での移動を前提として戦略をたてたほうがいいでしょう!
つまり、車でアクセスしにくい場所に位置していないか、駐車場は完備されているか、観光地からの流れ上に立地されているかがポイントになってきます。
田舎での民泊ビジネスは儲かる?
結論、儲かる可能性は十二分にあります!
大きな理由としては、ランニングコスト及び初期費用を抑えることができるためです!
民泊運営の大きなハードルの一つとして、ランニングコスト及び初期費用というお話は先程させていただきました。
このハードルが取り除かれるとまではいかなくても、小さくなるということは運営を行っていく上で大きなメリットとなります!
一方で、適切な準備を怠った場合は、宿泊客が皆無になる可能性も非常に大きいという事実があります。
都会よりもヒトの分散が激しい分、入念な調査と準備を要することができれば、都会よりも大きく儲けることも夢ではありません!
ビジネスで失敗しないためには準備が必要
ここまで、田舎での民泊経営について、成功する人と失敗する人の違いなどをお話してきました。
現在の傾向的に、民泊の需要が高まっていくことが予想されますが、誰もが成功するビジネスでは決してありません。
再三お話ししていますが、成功するために、抑えるべき点を抑えて、綿密な準備をすることが重要になっています。
さらに欲を言うと、ご自身の考えだけでなく多角的な意見を集めることも重要になります。
もちろん、意見を取り入れるかどうはその人の判断ですが、様々な知見を取り入れることは、きっと役に立つはずです。
まとめ
様々な記事を読んで、知識も増えたかと思いますが、そんなときは一度アウトプットすることをお勧めします!
自分はどんな理由で立地を選定し、どんなコンセプトを設定しようとしているのか、
言語化しまとめ、第三者から意見をもらうことで、より濃密な計画になっていくことでしょう!
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